3月某日、私、急に囲碁というものをやってみたくなりました。齢40、不惑たらん年の中盤です。

正確に言うと、ちゃんとやってみたくなったのです。

私が初めて囲碁というものに触れたのは昔、いや30年ぐらい前だから昔々々、小学校のイベントで「公民館で囲碁を覚えよう」みたいなのに参加したときでした。

カリキュラムは「囲碁の先生」が座学でルールを教え、その後いきなり19路盤で対局だったように思います。

先生は、
「囲碁は陣取りゲーム」
「黒白交互に交点に置く」
「石から出てる線を塞いだら取れる」
「ただし、石を取るゲームじゃない」
「とってもいいけど陣取りゲーム」
「囲んだら取れる。でも取るゲームじゃない」
という私にはよくわからない言葉を繰り返し、
「さあ、隣の席の子と打ってみましょう!」と言いました。

そして極め付けは「どうなると終わりか、どっちが勝ちかはみんなには分からないので、教室にいる近所の囲碁同好会のおじいちゃんたちが教えてくれます!」。
いつ終わるかどうやったら勝ちかわからないゲームって何?と思いながらも対局開始。

で、隣の席の子と、交互に黒白黒白置くと、見回っているおじいちゃんが、「そこじゃないこっち」とか、理由も言わずに手直しし、しばらく後には「もう終わりだね」と言って、せっかく配置した石を四角く並べ直し、せっかく取った相手の石を盤上に戻し、「こっちの勝ちだね」とか言ったのでした。